どこのジムにも大抵設置されているトレッドミル
筋トレ前のウォーミングアップで歩いたり、減量のために走ったり、出勤前に一っ走りしたり、マラソンの練習だったり、いろいろな目的で使用できます。
このマシンの最大の利点は、運動強度を正確にコントロールできること。
気象状況に影響されないためいつも同じペースで走ることが出来る。
初心者的にはいつでもやめられる(屋外を走ると途中でやめても帰る労力がいる)。
日焼けしない。水分補給が簡単にできる(持ち歩かなくて良い)。など沢山あります。
いっぽう最大の欠点は、練習パートナーや集団と一緒に走れないことでしょう。
しかし、1台のトレッドミルを2人で交互に使えばいい練習になる。例えば、勾配をきつく設定し、1分間のランニングと1分間の休息(トレッドミルから降りて休む)を繰り返すというメニューにすれば、交代でトレッドミルに乗り降りするだけで練習ができる。
【持続的ランニング と 断続的ランニング】
持続的ランニングは強度が低いときや中程度の時一定の速度で走り続けること。
強度は、低いとき(ウォーミングアップの初めやクーリングダウン、回復 走など)もあれば、中程度のとき(MペースやTペース)もある。
強度がT(乳酸性作業閾値)ペースを超えると、たいていはIトレーニングやRトレーニングのような断続的なランニングになる。Iトレーニング・Rトレーニングの目的は、有酸素系に最大のストレスを与えること、または、動作、スピード、ランニングエコノミーを向上させることにある。断続的トレーニングとは簡単に言うと、ハードなランニングとリカバリーをミックスした練習のことだ。リカバリーには軽い運動をする場合としない場合とがあり、通常、ハードなランニングがハードであるほど、リカバリーの時間は長くとる。その点、トレッドミルならばコントロールが簡単だ。
また1 回の練習のなかで、強度や時間、リカバリーをさまざまに変化させるようなファルトレクトレーニングも可能である。
【傾斜を使ったトレーニング】
ほとんどのトレッドミルはプラスの傾斜(上り)は付けられるが、マイナスの傾斜(下り)は付けられない。
通常の練習やレースなどで大きなアップダウンがなければ下りの練習をするメリットはほぼない。
下りでひとつ注意しなければならないのは、接地するときの衝撃だ。 接地の衝撃は、上りでは減少する分、下りでは増幅する。よって、下る回数は徐々に増やしていくのが賢明である。勾配や速度を上げてきつい設定にするのは、4週間ほど同じ設定でトレーニングをしたあとだ。ペース が速すぎたり、あるいは勾配が2%、3%を超えたりすると、大腿四頭筋の 筋肉痛悪化に直結することもある。したがって、レースの2~3週間前は、下りのトレーニングストレスを増やさないこと。また、重要なレースまで4~6週間という段階になったら、新たに下りのトレーニングは始めないようにする。
上りだけの練習は故障明けのリハビリには最適です。傾斜を大きくすれば負荷も大きくできます。

引用
ジャック・ダニエルズ; 篠原美穂; 前河洋一. ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版 . 株式会社ベースボール・マガジン社.